院長コラム2月号
歯医者は治療費が高いとよく言われます。しかし、歯科でかぶせ歯やブリッジに使っているパラジウム、ニッケル、金銀銅などといった貴金属は、自動車のバッテリーや半導体になくてはならない材料で、近年の電気自動車(EV)化により、価格がものすごく上がっています。
その結果、同じ材料を使う歯科のコストが、今から10年程前の2倍くらいになり、患者さんが窓口で支払うかぶせ歯の保険料の額も、2倍ほどになっています。しかし、高いのは金属代なのであって、私達の所に残る額は、ほどほどです。お口の中なので、安心・安全な貴金属しか使えない所がつらい所です。
その対策として、以前から詰め物として使われていたレジンと言われるプラスチックを改良して、なんとかかぶせ歯に応用しようとしています。ジルコニアという製品名で、少しずつ使われ始めていますが、金属と比べて強度に問題があり、うすく出来ず、ピッタリとした物を作るのが難しい材料です。ジルコニアなら歯と同じ色にもできるので、患者さんには喜ばれるのですが、もとの歯を長持ちさせるには、ピッタリ合わせやすい金属の方がいいのです。