院長コラム3月号
今、流行しているオミクロンウイルスは、感染力が強く、子供から高齢者までかかり、感染者数は多いですが、以前のデルタ株より毒性が弱く、重症になる人は少ないようです。
しかし、高齢者に多い、体力のない人や、糖尿病などの余病を持っている人の死亡率が高いことが気になります。
オミクロン株以前の、コロナウイルスによる重症者や死亡者は、エクモで代表されるように、ウイルスによって肺全体が侵されて、呼吸困難になるという病気進行でした。
しかし今回の事例は、年齢では70~90代に多く、コロナウイルスによる肺のダメージは少なく、お口の中に住んでいるごく普通の細菌の侵入による、重症化であることが特徴です。
これは恐らくオミクロン株による、鼻やのどの炎症で、飲み込む力や免疫力が低下した為と考えられます。
肺に細菌が入る、誤嚥性肺炎の対策は、常在菌が多くいるお口の中をキレイにしておくことが大事で、歯磨きなどの口腔ケアと、飲み込みを良くする為に、お口の周りの筋力を丈夫にするトレーニングが有効です。
特に、唾液に混じって無意識のうちに、気管を通して肺の方に細菌が入り込んでしまう、睡眠中の誤嚥による感染をなくす為に、夜寝る前の歯みがきをしっかりやると良いと思います。